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「そう。テスターには魔法をかけることは出来ない」
ニーナの話によればテスターはあの日初めてロッパ王国に訪れたはずだ。
到着と同時にニーナが監視を行い、その後は世界政府に引き渡されている。
つまり、操られたとされるウェインに魔法をかける時間がない。
ニーナは監視の後、ウェインに会いにいって早朝に事件が起こったのだから、テスターが魔法をかけるには深夜に訪れるしかなくなる。
当時、得体も知れない『異端強者』だったテスターにそこまでの自由が与えられるとは思えない。
「つまり、どういうことだ?」
よく分からないチフユは結論だけ聞いた。ライも答える。
「世界政府に、いやロッパ王国に。ニーナを嵌めることで利益を出した『黒幕』がいる。少なくとも、国民の為に動いている奴じゃないことは確かだ」
ライの頭の中には何人か名前は上がるがあくまで予想でしかない。
この予想が今後絞れればいいなと考えつつ、ライ達はナダをあとにした。
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