飛翔の町

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「これは、まさか同士…!?」 「?」 「いや、でもここでがっつくのは……いやいや、師匠も押しが大事だって言ってたし……」 「もしもーし?」 急に独り言をし始めたニーナの目の前で手を振るチフユ。反応がない。 「チフユちゃん。これからわたしとお店回らない?」 「え?いやライ待たねぇと」 「おいしいパンケーキのお店につれてくから!蜂蜜たっぷりの!」 「蜂蜜、だと……?」 食い気味に飛んできたニーナの言葉にチフユの心が揺れる。 チフユは甘いものに目がない。特に蜂蜜は大好物。 (流石に分かってるよな、フユ姉?) ミナツがチフユの中で警告する。その言葉でチフユは正気に戻った。 (分かってる。心配すんな) (ならいい) 短い会話を済ませ、チフユはニーナに応対した。 「ニーナ。オレはライを待たなきゃいけねぇ」 「そうですか……」 ニーナはあからさまに落ち込む。 「だから手早くその店につれてい―このバカ姉が!」
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