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「どうしたの?」
つい、勢いでミナツは変わってしまった。チフユは駄々をこねているので出す訳にはいかない。
二重人格だと知られれば面倒臭いことになる。ミナツはチフユを演じることにした。
「別に何でもないぜ。ちょっと気に触ることがあっただけだぜ」
「何か語尾可笑しくない?本当にどうかしたの?」
早くもニーナは怪訝な目を浮かべている。ミナツはこういうことが苦手だ。
そんな時、救いの手が現れた。
「すまん、遅くなった」
ライが帰ってきた。『異端強者』としての感覚でチフユではなくミナツだとすぐに気付く。
「貴方は?」
「こいつの、まぁ保護者だ」
ニーナの問いに答えつつライはミナツと肩を組んで後ろを向く。
そしてボソボソとニーナに聞こえないように耳元で話しかけた。
「何でナツになってんだ?」
「バカ姉が暴走しかけた。つい変わった。すまん」
「いや、いい判断だ」
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