飛翔の町

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「セリスが野暮用?知り合いでも居たのか?」 メモを確認して、ライはそれをポケットにしまった。 「分からない。話してくれなかった」 「まぁ、こっちも用事が出来たから問題はないが」 「用事?一体何が―」 「やぁ、ミナツちゃん。僕の名前を覚えているかい?」 ミナツの疑問は乱入してきた白衣の女性に阻まれた。ミナツは顔を見て記憶を辿る。 「確か、山を越える前に会った……」 「そうそう」 「……グロいチキンドリア?」 「………どうしてだろう。名前忘れられてた方が良かったと思うのは」 三文字ぐらいしか合ってない。流石のフロウも見るからに凹んでいる。 「ごめん、先輩。ナツはこういう奴だから」 「ん?センパイという名前だったか?全然違ったな。すまん」 「おい、止めろ。これ以上傷口を抉るな」 「もういいよ。先輩で呼びやすいなら先輩で構わない」 やれやれと呆れたようにフロウはため息をついた。
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