飛翔の町

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「別にライに抱き付かないというのならわたしとしてもイライラしないで済むからいいが」 「抱き付くよ!抱き付けばいいんだろ!」 「チフユ、力が強―チフユさんマジで、マジで緩め……」 自棄になって抱き付くチフユだったが手加減をしてない。ライがチフユの腕にタップしている。 「落ち着け。ライがまた怪我するぞ」 「うー……がぁー!!」 セリスに諌められチフユは抱き付くのを止める。髪を振り乱しながら奇声を発する。 「もうじれってぇ!何なんだよ、この気持ちは!」 己の気持ちを吐き出すように叫ぶチフユ。そんなこと言われてもライとセリスには分からない。 「もう、嫌だ!セリス!抱き付かせろ!」 「だから何でわたしなんだ!」 国が変わっても相変わらず苦労人のセリス。結局暫くセリスはチフユをおんぶしたまま歩く羽目になるのだった。
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