飛翔の町

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* チフユがシャワーから上がる。茶色の髪の先からポタポタと水滴が落ちる。 乱雑にタオルで髪をふきながら着替えを持って脱衣場から出た。 因みにライは別の部屋だ。お金は充分にあるのでセリスが三部屋取っていた。 「おや?随分と早いね」 チフユの部屋に居るのはフロウ。ベッドの上に仰向けで寝ている。 「オレは元々早い。ミナツはじっくりやってくるが」 「ふーん。見た目はそっくりなのに中身は全然違うんだね」 「元々そういう風にオレが作ったからな」 今は一つの個として存在しているが、元々はハルカの理想を体現させたもの。違うのは当たり前。 「大体お前が何でこの部屋にいるんだ?」 「僕はお喋りが好きでね。久々に知り合いにあったものだからもっと話したいのさ」 「ライと話せばいいだろ?」 「後輩は駄目だよ。二人きりで一つの部屋に居たら僕が壊れちゃう。それに、君の話も聞きたかったしね」
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