飛翔の町

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その話の進め方はライを思い起こさせる。少し違うが。 「へぇ……じゃあチフユちゃんが本格的に出てきたのはルシアからなんだ」 「最初から居たけどな。ミナツがオレを知ったのがルシアだったっつー話だ」 「うん、分かった。有り難う。次はチフユちゃんだね」 フロウは何やら考え込むような素振りを見せている。大方頭の中で二重人格のレポートでも取っているのだろう。 チフユはその間に自分が質問することを考える。 とは言っても既にほとんど聞いてしまった。前の質問からオウム返しも使えない。 かといってパスする気にはなれない。与えられた物を放棄するのは癪にさわる。 チフユが悩んでいると、脳内レポートを終えただろうフロウが笑いかけてきた。 「別に僕個人に聞きたいことじゃなくてもいいんだよ?君の先輩として広い見解で答えてあげるからさ」 そう言われてチフユはある一つのことを思い付いた。 「好きな男に押し倒されて征服されようとした時に思わず引き剥がしちまうような理由って分かるか?」
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