飛翔の町

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「それは、君自身のことかい?」 聞き返すフロウにチフユは無言で頷いた。 「いや、驚いた。まさかあのヘタレに女の子を押し倒す度胸があったとはね」 「ミナツも押し倒してるからオレで二回目だな」 「姉妹丼なんて羨ま―、それで、その時の状況を教えてくれないかい?」 「前半何つった?まぁいいけど」 追及するとめんどくさいことになりそう。チフユは流して事の顛末を話し始めた。 「ふむ……」 舌が弱点だということは隠して全て話すとフロウは考えた。 「僕なりの見解になるけど構わないかい?」 「ああ」 フロウはふぅ、と一呼吸入れる。 「チフユちゃん。君はサンダーバード後輩が怖いんじゃないかい?」 「怖がってる?このオレが?冗談じゃねぇ」 的外れな意見にチフユが鼻で笑う。 「今までライと一緒に居た記憶はある。手の内を知ってる仲間を怖がるわけねぇだろ」 「そうだね。チフユちゃんが勝手に怯えないなら、の話だけど」
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