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ミナツのその言葉は呆れているのか怒っているのか分からない声色だった。
「あれから君は随分と変わったね。人間として随分と成長したように見える」
「それはお前もだろう?」
そう返されてフロウは少し驚く。
「そう、見えるかい?」
「ああ。何というか、心に余裕が出来たように見える」
ミナツに見破られるとは思ってなかったフロウは苦笑する。
「君は鈍そうに見えて案外人を見てるね」
「……それは褒められているのか?」
「好きにとらえてもらって構わないよ。さて、じゃあ聞かせて貰おうかな?」
「何を?」
「サンダーバード後輩を避けている理由をさ」
ミナツが固まった。
「チフユちゃんとは違う理由なんだろう?僕に話してみなよ」
「………話す理由がない」
「ミナツちゃん」
フロウが真剣な声を出す。
「サンダーバード後輩はああ見えて精神が強いわけじゃないんだ。相棒に避けられて精神的ストレスを抱えている現状を、先輩として見過ごすわけにはいかないよ」
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