飛翔の町

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* 結局昨日はセリスが帰って来なかったので三人で夕食を済ませ早めに寝たライは朝早くに起床した。 顔を洗って手早く着替えた。時間を確認してもまだミナツが起きる時間でもない。 かと言って眠気はないので早めに鍛練でも始めようかと部屋の外に出る。 「お、朝帰りか?」 「そうなるな」 そこでちょうどセリスに会った。大あくびをしている。 「朝飯は?」 「要らない。しばらく寝る。放っておいてくれ」 片手でポニーテールを下ろしセリスは昨日一日使わなかった部屋を開ける。 「徹夜は美容に悪いぜ?」 「今更気にするようなことは―」 「背も伸びないって言うし」 「それはわたしへの当て付けか?」 ハンマーを向けようとするセリスだったが、溜め息をついて止める。 「駄目だ。眠い。もうめんどくさい」 そう言い残してセリスは扉を閉めた。ガゴンというハンマーを置く音が響く。 ライとしては何をやっていたのか確認したかったが仕方がない。起きてから聞くことにした。
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