飛翔の町

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「朝から元気だね、サンダーバード後輩」 宿から出るとフロウが居た。 「先輩はずっと起きてたのか?」 「寝てたよ。右脳と左脳を交互に四時間。それだけ寝れば十分だ」 また新しい魔法だろうか。冗談にしろ本気にしろ身体に良い気はしない。 「あんま無理すんなよ。身体壊すぞ」 「仕方ないじゃないか。僕は君達のように戦う人間じゃないんだ。殺気で目が覚めないくらいには平和ボケしてる」 全く気にせずヘラヘラ笑う。命は大事にするが身体は大事にしない。それがフロウ。 「少しは鍛えたらどうだ?」 「むいてないさ。戦うことは戦う人間に任せる。僕は僕の為に戦わない。適材適所さ」 「それでも生きる為なら少しは鍛えるべきだ」 「ライくん。人間は万能じゃないんだ。努力すれば出来るという言葉は、才能がある人間か、努力出来る人間にしか使えないよ」 フロウは自虐的に笑う。ライは何も言い返せなかった。
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