飛翔の町

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「本名はライナーだ。ライでもう愛称なんだよ」 「じゃあわたしが呼ぶ名前がライライってことで」 「頑なだな」 「友好の証だからね!」 「じゃあチフユは?」 ニーナは少し考える。 「チフユちゃん?」 「まんまじゃねぇか」 フィアみたいにちーちゃんと呼ぶよりはマシかもしれないが。 「それで、今日はチフユちゃんと遊べるのかな?」 ニーナはミナツに声をかける。 「あー、その件なんだが」 「すまない。わたしはフユ姉じゃない」 「え?」 キョトンとした顔になるニーナ。案外面白い。 「チフユは今日は用事があってな。だから代わりを連れてきた」 「フユ姉の双子の妹のミナツだ。よろしく頼む」 「……わー、わたし一卵性の双子って初めて見た。こんなに似てるんだね」 ニーナがミナツの身体を観察する。似てる似てると呟きながら。そりゃ身体は同じだから似ないわけがない。 「ごめんね、ミナツちゃん。間違えちゃって」 「気にしてない。寧ろ初見で分かったライが異常なだけだ」
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