飛翔の町

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「ライ、冗談は程々にしておけ」 ミナツが呆れた様子で言う。 「え?冗談なの?」 「冗談だ」 本当は本当だが。これ以上引かれる必要もないだろう。 「良かったー、冗談か」 そしてどうもニーナは信じやすい。 「そういやシモンは?今日は一緒じゃないのか?」 「おじいちゃんも今日は用事があるんだって。今日はわたし一人だよ」 フロウを探しているのだろう。見つかりさえすれば狙えるのだから。 ニーナが嘘をついていて、ミナツやライをはめるということも考えられるがその線は薄い。 そんな頭があるようならフロウが警戒するように言ってくるだろうし。 「じゃあナツと遊んでやってくれ」 「ライライは?」 「オレも用事がある。ナツ。宿の場所は分かるな?」 「ああ」 「じゃあ夜までには帰って来い。ニーナ、よろしくな」 「まっかせて!」 Vサインを出すニーナにライはポカンとする。 「どしたの?」 「いや、そんな反応されたの初めてだから」 ライの周りの女の子が普通じゃないだけである。
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