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「昨日、だと?」
言葉は冷静だが身体がガタガタ震えている。いらないトラウマを呼び起こしてしまったらしい。
「あんたこんなところで何やってんだ?」
急いで話を逸らす。
「無論、孫を見張っているに決まっている」
「あんた本当に伝説の軍人か?」
「お前も子供が生まれたら分かる」
情けない伝説の姿を見てため息をつくライだったが、これは良い傾向だ。
ニーナとシモンの動向さえ確保しておけばフロウが動きやすくなる。万が一、フロウがヘマをして見付かったとしても即座にフォローに回れる。
ライは自然にシモンの隣に居座る。
「どういうつもりだ?」
「オレもナツが心配なだけだ。伝説の軍人様が一緒なら頼りになるしな」
「…………ふん」
シモンは文句は何も言わなかった。基本的に男には寛容であるらしい。
こうして互いが互いを見張り合うという状況が完成した。
端から見ればライ達は不審者にしか見えないが、シモンは世界政府の人間だから大丈夫だろうとそれは諦めた。
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