飛翔の町

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* ミナツは性別としては女性である。それは身体を見れば疑いようのない事実である。 しかし、女らしさという物はいつまでたっても分からなかった。 ハルカに女の子なんだからもっと可愛い服を着なさいとか、形が崩れる……らしいからちゃんと下着をつけなさいとか言われても実感がわかない。 ミナツにとっては機能性を重視しての今の格好なのでこれを崩すつもりは毛頭ない。だからー 「これ着てみて」 「いや、わたしはこの服で充分なんだが」 「いいから」 「だが―」 「いいから!絶対ミナツちゃんに似合うって!」 こんなにも熱烈に今風の服を勧められる意味が分からなかった。 「この服は胸を出しすぎじゃないか?」 「えー、これくらい普通だよ?」 「だが、このまま着ると、その、見えるじゃないか」 「え?……ああ下着のこと?大丈夫大丈夫。それに合わせた奴も買うから。ミナツちゃんサイズいくつ?」
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