飛翔の町

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ニーナが目の色を変えていると店員さんが注意した。 「あの、すみません。アンダーを測りたいんですけど」 「あ、ごめんなさい。どうぞ」 名残惜しそうにニーナは手を離す。店員が測ろうとする。 「その、ニーナ」 「何?」 「そんなにじっくりと見られるとわたしでも少しは恥ずかしいんだが」 「気にしない気にしない」 ニコニコと笑いながらその場に居座ろうとするニーナ。 「……すまない。やはり少し離れててくれないか?バカ姉が中でうるさい」 「バカ姉?中?」 「お客さんもそう言っていることですし、ここは少し」 店員さんに笑顔で頼まれたニーナは渋々引き下がった。ゆっくりと離れる。 「アンダーは……68ですね」 「それは凄いのか?」 「大きいと思いますよ」 無論、聞き耳をたてながら。 全てを測り終えたミナツはニーナと共に服を選ぶ。尤もミナツはファッションに疎いので嫌な格好を言うだけだが。
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