銃王姫と二丁拳銃

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「誰ですか?」 警戒の目。当たり前だ。 「怪しいもんじゃない。ほら」 シモンは少女に世界政府の紋章が入ったバッジを見せた。 「もう一度聞く。何をしている?」 「ただの試し撃ちです」 シモンの身元に納得したようで、少女はしっかりと答えた。 「試し撃ち?そう言えば見たことのない銃だが」 「『ツインバレル』。わたしが作った『魔法銃』です」 「自作……ということはお前は武器職人か?」 「まぁ……そういうことでいいです」 慣れない手付きで少女は弾を詰める。 「それにしては、危なっかしい手付きだな」 「銃を撃つのは今日が初めてですから。慣れないんですよ」 「なに……?」 シモンが少女を観察する。手。綺麗な手。匂い。硝煙の香りはしない。典型的な素人。 「銃の撃ち方は何処で覚えた?」 「やってみて覚えようとしてますけど?」 その言葉にシモンは溜め息をつき、 「馬鹿もん!」 「いっ……!」 鉄拳を少女の脳天に叩き落とした。
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