銃王姫と二丁拳銃

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* 「この子には才能がある」 ニーナがシモンにそう言われたのはニーナがまだ九歳の頃だった。 シモンが家の射撃場で練習している時に撃ちたいとしつこくせがんだ為だ。 教えられながら一発撃っただけでシモンはニーナの才能を見抜いた。 ニーナはその才能を見事に開花させ、メキメキと腕を上げていった。 しかし、それはありふれた日常へは帰れないことを意味した。 突出した才能は皆をそれだけ置き去りにする。認めてくれる人間はいても並び立つ人間はいない。 それまでのニーナの友達は離れていった。気持ち悪いと思われながら。 シモンの弟子。つまり同業者からは妬まれた。その才能を。 陰口を叩かれるのは日常茶飯事。女性故の嫌がらせも多く受けた。 ニーナはそれを真っ向から受け止めた。さらに練習を重ね更に人を置き去りにする。 いつしかニーナは『孤高の隼』と呼ばれるようになった。
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