銃王姫と二丁拳銃

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「いや、お前は知らない。オレが旅行中に作った弟子だからな」 「旅行中って……また貴重な休みを変なことに使って」 「そう言うな。後悔はしてないさ」 「それで?どんな奴なの?」 ニーナは適当に聞いた。それこそちょっと気になるぐらいの気分で。 「歳はニーナと変わらん。性別は女。才能だけで言えばお前と同等以上の逸材だな」 「……え?その子女の子なの?」 「うむ。狙撃一本で絞ればオレをも越えただろう。近距離格闘やら魔法やらにも手を出したからそこまで伸びなかったがな。憎むべくはフリカの騎士長制度か」 シモンが負けを認めた。狙撃しか能がないと言われたあのシモンが可能性の話とは言えど負けを認めた。 ニーナは戸惑った。自分の才能を越えると言われた存在に嫉妬したわけではない。シモンの弱気に失望したわけでもない。 これは、喜びだ。 ようやく現れたと。持つ者の苦悩を共有してくれる仲間が出来たと、期待した。
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