銃王姫と二丁拳銃

11/59
前へ
/1704ページ
次へ
奥の工房からどったんばったんという慌てた音が鳴り響く。やがて一人の若い男が出てきた。 「おまたせ……って何だ、ニーナか」 あからさまに気を落とすウェイン。 「親父。紛らわしいこと言うな。焦っただろうがよ」 「お前の女付き合いが悪い」 クククと店長は声を少し抑えながら笑った。 「あの件だろ?上がれ。話すこともある」 やれやれと言った様子でウェインはニーナを手招きした。ニーナは店長に頭を下げて奥に入る。 「ったく、こんなガキンチョが愛人とか、オレがロリコンに見られたらどうすんだ、親父は」 「もうガキンチョじゃない」 「そんな一端の台詞は生理止まってから言え」 「それもう何か違うよね!?」 ウェインは二十代前半の武器職人である。腕は確かなのだが女癖が荒くニーナに対してだけは口が悪い。 年下の子供をからかっているような感覚なのだろうが、ニーナとしてはやめて欲しい。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46125人が本棚に入れています
本棚に追加