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奥の工房からどったんばったんという慌てた音が鳴り響く。やがて一人の若い男が出てきた。
「おまたせ……って何だ、ニーナか」
あからさまに気を落とすウェイン。
「親父。紛らわしいこと言うな。焦っただろうがよ」
「お前の女付き合いが悪い」
クククと店長は声を少し抑えながら笑った。
「あの件だろ?上がれ。話すこともある」
やれやれと言った様子でウェインはニーナを手招きした。ニーナは店長に頭を下げて奥に入る。
「ったく、こんなガキンチョが愛人とか、オレがロリコンに見られたらどうすんだ、親父は」
「もうガキンチョじゃない」
「そんな一端の台詞は生理止まってから言え」
「それもう何か違うよね!?」
ウェインは二十代前半の武器職人である。腕は確かなのだが女癖が荒くニーナに対してだけは口が悪い。
年下の子供をからかっているような感覚なのだろうが、ニーナとしてはやめて欲しい。
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