飛翔の町

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「女は、すぐこれだ……自分の理想を押し付ける癖に……理想が外れれば牙をむく……!」 老人は股間を抑えながらうつぶせで倒れている。 「まだ喋れんのか。根性あんな」 「貴様のような尻軽を……駆逐するまでオレは……」 どうやら若い女性に対して並々ならぬ憎悪があるらしい。 「あんま無理すんなよ?いくら元軍人でもいい歳なんだろ?」 「たった今、急所を蹴飛ばした奴が言うか」 ごもっとも。 「大体孫娘と旅行に来てるんだろ?そいつも駆逐すんのか?」 「馬鹿言え。オレの世界一可愛い孫を殺すなど有り得ん!」 「なら―」 「だが貴様のようなビッチのせいで孫は……オレの孫は……!」 イマイチ言葉の意味が理解出来ないチフユは首を傾げる。 「おじいちゃんお待たせー、って何やってんの?」 その孫娘が登場した。 今時の女子が着そうな、擬態語で表すならきゃぴきゃぴした服を着ている。 ミニスカートから溢れる太ももには自衛の為かホルスターを巻き付けて拳銃を所持していた。
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