銃王姫と二丁拳銃

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「あれじいさんの弟子なのか。どうりで」 ウェインは納得したようにうんうんと頷いた。 「会ってみてぇな」 「うん。わたしも」 二人はまだ見ぬ妹弟子にして最大のライバルを想像するのだった。 ニーナとリースが初めて出会ったのはそれから二年後。 ニーナは耐えていた。嫉妬による嫌がらせも、軍からの理不尽な要求にも。 優秀な狙撃手はいつだって無理難題な要求をされる。 それは祖父であるシモンが通ってきた道であり、妹弟子であるリースが通っている道だ。 ニーナは諦めそうになった時、挫けそうになった時、それを思い出した。 ニーナは引き金を引き続けた。反逆者に。密猟者に。犯罪者に。 特に攻めいったレジスタンスの一団を一夜で、それもたった一人で壊滅させた事件は、国中に『銃王姫』という異名を轟かせることになった。 他の軍人からは人外のように恐れられ、国民からは尊敬の目で見られる。 孤高の隼はいつだって一人。だけど寂しくはない。 もう一人、わたしと同じ人がいるから。
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