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「『交戦せよ』とのことです」
ライから伝えられてきた暗号をイリカは読み取っていた。
「解説頼める?」
ハルカが促す。イリカは順に説明した。
『真実を語る口』、『虚偽をさぬ耳』というのは嘘が分かるイリカのこと。
『偽りの血縁』、『はぐれた鳥』というのはイリカと偽物の兄妹であるライのことである。
「『夕陽が染める』。つまりは西日です。今、ライ兄さんは西……ガル辺りに居るってことです」
「やっと戻って来たか……」
やれやれとグレイは首を振った。
「『青き鯛』、と言うのは恐らく青い軍服を着た『王軍』のことですね。鯛と隊をかけてます」
「『釣り上がる』……相手の隊を誘い込めってことか」
「『俎の上の刀』って言うのは?刀はミナツのことだろうけど」
ハルカの言葉はイリカの顔を僅かにひきつらせた。
「『俎の上の鯉』から来ているかと。つまり俎と刀で鯛を挟み込むってことです」
「あー、成る程。わたし(俎)とナツ(刀)で王軍(鯛)を挟撃(調理)するってことね。あの野郎、覚えてろ」
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