反抗軍への帰還

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* 「『交戦せよ』とのことです」 ライから伝えられてきた暗号をイリカは読み取っていた。 「解説頼める?」 ハルカが促す。イリカは順に説明した。 『真実を語る口』、『虚偽をさぬ耳』というのは嘘が分かるイリカのこと。 『偽りの血縁』、『はぐれた鳥』というのはイリカと偽物の兄妹であるライのことである。 「『夕陽が染める』。つまりは西日です。今、ライ兄さんは西……ガル辺りに居るってことです」 「やっと戻って来たか……」 やれやれとグレイは首を振った。 「『青き鯛』、と言うのは恐らく青い軍服を着た『王軍』のことですね。鯛と隊をかけてます」 「『釣り上がる』……相手の隊を誘い込めってことか」 「『俎の上の刀』って言うのは?刀はミナツのことだろうけど」 ハルカの言葉はイリカの顔を僅かにひきつらせた。 「『俎の上の鯉』から来ているかと。つまり俎と刀で鯛を挟み込むってことです」 「あー、成る程。わたし(俎)とナツ(刀)で王軍(鯛)を挟撃(調理)するってことね。あの野郎、覚えてろ」
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