反抗軍への帰還

21/45
前へ
/1704ページ
次へ
ハルカが握り拳を作る。イリカとグレイは身を震わせた。 「ハ、ハル。こっちに向かっている軍の指揮官は?情報はあるのか?」 グレイは話を逸らした。 「パルト・ボレオン将軍。ランス出身の勇将よ。ついでに言えば貴族」 「貴族か……。ランスってことはライと面識あるかもな」 「十中八九覚えてないでしょうね。ライは別に当主でも何でもないし」 ハルカは鼻で笑った。気にも止めてなかった人間が今、牙を向けようとしているのは皮肉な話だ。 「実力はあるのか?」 「それなりにね。でも、典型的な『貴族』らしいわ」 「ああ……」 ハルカの言う典型的な貴族とはプライドの高い貴族のこと。 貴族であることに誇りを持ち、軍を統率して動かすことが出来る反面、泥臭い作戦を嫌う。 「で、こっちは泥臭いことが得意な庶民とマフィア。相手さんの腸煮えまくってんじゃねぇか?」 「それだと、動きやすいですし助かります」
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46127人が本棚に入れています
本棚に追加