反抗軍への帰還

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「貴様!」 パルトは声を荒くする。 『どうすると言うんですか?罪を犯したのはわたし一人。たかだか将軍を馬鹿にしたぐらいの罪でその軍をイセンに攻めこませますか?』 「ぐっ……!」 パルトは歯噛みする。パルトは将軍であり貴族でもある。 不敬罪のみで町一つを滅ぼしてはかえって名を傷付けてしまう。 かといってイセンは広い町だ。小娘一人を匿われては見つからない。 理由が。町を一つ潰しても良い理由がなければパルトは攻め込めない。 だからこそ、イリカはあんな大胆な罪を犯せたのだろう。罰を受けないと分かっているから。 しかし、このまま引き下がっては将軍の名折れ。パルトは少し考えて、ニヤリと笑った。 「いや、不敬罪だけではないぞ、娘」 『え?』 「貴様は、『国家反逆罪』にも当たる」 『……はい?』 「サンダーバード、か。貴様は兄と同じく革命を起こそうとする危険因子らしい」 パルトの口から出任せ。フリカで革命を起こしたライヤーとイリカが血縁という証拠はない。 しかし、サンダーバードという姓が同じだということだけが重要。
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