46125人が本棚に入れています
本棚に追加
その事実さえあれば後でいくらでも誤魔化しが効く。
パルト・ボレオンは革命家サンダーバードを早々に討つ為にイセンを滅ぼした。
そんな事実をでっち上げられる。
『ちょ、ちょっと待って下さい!わたしとあの人は何の関係もありません!』
明らかに動揺している。パルトは機嫌が良くなった。
「犯罪者は全員そう言うのだ」
『町の皆はただの一般人です!』
「分からんな。国の転覆をはかってるかもしれん」
『……許し―』
ブツッ
パルトは通信機を自ら切った。そして部下に告げる。
「総員突撃用意!敵戦力はない!大半は一般人であろうが、これを全て殲滅せよ!パルト・ボレオンの名を世界に轟かせるぞ!」
「「おぉ!」」
士気が高まる。戦闘の準備が整った。
「ボレオン将軍よ」
老将ハニバルがパルトに声をかける。
「何だ。邪魔をするな」
「邪魔なんてするかいな。儂らは東に居るから、何かあったら言うてくれ」
パルトにはもう、ハニバルの声が良く聞こえてなかった。
最初のコメントを投稿しよう!