反抗軍への帰還

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「くっ!一旦退け!北に下がり態勢を―」 「将軍!北西より敵襲!強大な魔法攻撃を受けています!」 重なる報告。その報せは、そこに居る人間の顔を青ざめさせるには充分だった。 「挟撃、された?こんな完全なタイミングで……?」 「将軍!イセンより歩兵が多数出撃!こちらに向かって来ます!」 計画が事前に練られている。そうとしか思えない程完璧な動き。 「狼狽えるな!挟撃とは言えど相手は軍人ではない!幸いにもイセン側は歩兵だ!足は遅い!一丸となりて北を抜く!」 パルトは喝を入れ士気を上げる。僅かだが戦意が軍に戻った。 「オレに続け!」 パルトは先陣を切り軍を走らせた。 「何だ、これは……?」 パルトが北側の様子を視認した時、何度目かわからない驚愕の声を漏らした。 パルトは経験を積んでいる。どんなことが起きてもそれなりに対処できる自信があった。 しかし現在。大量の月が降ってくるこの状況にどう対処しろというのか。
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