反抗軍への帰還

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月と言っても直径約二メートル程の魔力の塊である。しかし、それがポンポンと撃ち込まれている。 魔法部隊は半壊。兵士もどうして良いか分からず戸惑っている。 「何を呆けている!魔法なら撃ち返せ!歩兵は近付いて元を断つのだ!」 何故月の形をしているかは分からなかったが魔法であることには違いない。だからパルトはそう指示を出したのだが。 「将軍!こちらの魔法は届きません!」 「歩兵も元まで辿り着けません!」 「そんな馬鹿な話があるか!!」 パルトは激昂する。いつからこの部隊はこんなに腑抜けたのかと。 魔法は込められた魔力が多い程重くなる。それは強力な魔法程扱いにくいということ。 降ってくる『月』のように人を押し潰す程重い魔法ならば、射程が恐ろしく短くて当然。 いくら魔法の才能があろうとそれは事実。だからこそパルトはそう指示をしたのだ。 「将軍!北西の方角です!」 兵士は焦ったようにそう報告した。
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