反抗軍への帰還

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凄まじい速度で振られた刀は一瞬にして兵士五人の首をはねた。 魔法で狙う軍の女性。しかし、撃たせて貰えない。 死体からもぎ取った剣が投擲され頭や喉に突き刺さる。 その隙に兵士が近付くも、瞬く間に命を散らしていく。 茶髪の女性は女性、つまり魔砲士を重点的に狙っているらしく『防弾』の強度が弱まっていく。 その間も絶えず降り注ぐ『月』。兵士がみるみる殺されていく。 正気の沙汰ではない。パルトがそう思ったのは不思議なことではない。 魔法攻撃を通す為に魔砲士を排除する。その考え自体は理にかなっている。 しかし、それを『剣士』にやらせるというのは愚策だ。 敵を制圧するだけの力を持っていなければならないことに加え、その力が味方の魔法に晒されるのだから。 茶髪の女は間違いなく敵の主力級の力を持っている。それが居るのに何の躊躇いもなく魔法が降ってくる。 敵の指揮官が狂っているのか、茶髪の女が命令を聞かずに突っ込んだ馬鹿なのか。
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