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「お前が指揮官か?」
パルトは立ち上がって答える。
「いかにも。パルト・ボレオン将軍である」
剣を向けて相対する。名乗られたからか茶髪の女も名乗り返した。
「わたしはミナツ・サンダーバードだ」
「また、サンダーバード……」
パルトが呆れていると、ミナツは構えた。
「あまり時間は無い。さっさと終わらせて貰う」
ミナツの独特の構え。片手を空けている。対してパルトも片手持ち。腰を落とし肘を曲げて剣先をミナツに向けた。
パルトは自身の出来る最高の『加速』の魔法を全身へ。そして、動く。
攻撃は突き。肘を一気に伸ばし全身がバネのように跳ねミナツの喉元に剣が迫る。
ミナツは、全く焦らない。これより速い人間を、これより上手い人間を、何人も見てきたという目で。
ミナツの刀はパルトの剣を側面から撫でる。刀身が剣の周りを動き跳ね上がる。
巻き技。相手を無力化する為に生み出されたその技はいとも簡単にパルトの手から剣を離れさせた。
そして宙に浮いた剣をミナツは空いた片手で逆手に掴み、そのままパルトの喉に突き刺した。
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