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「………え?」
「儂はライとしか協力せん。命令してくれるなよ」
マリアはぶっきらぼうにそう言った。ハルカは困惑する。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「何よ」
「記憶覗いて、あんたが何を思ったか知らないけど、ライはわたし達の仲間よ。あんたの一存で勝手に決めないでくれる?」
「言い方が悪かったな。戦争には協力する。しかし、ヌシの指図だけは受けん。そう言っておるのよ」
尚更意味が分からなくなってきた。
「……理由を聞いてもいいかしら」
「単純な話よ」
マリアはハルカと目を合わせた。その瞳が示す色は明確な、『嫌悪感』。
「儂がヌシを好かんからよ」
*
『悪夢』からまずマリアが帰ってきた。
「ライよ。儂は少し風に当たってくる。ここに戻れば良いかや?」
「おう」
ライがそう返事をすると足早にマリアが去っていった。しばらくしてハルカも目を覚ます。
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