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「アオイさん、ですか?また東洋風な名前ですね」
『ふふっ……』
「え……!?」
アルバが、笑った。電話越しで。この流れをドレッドは知っている。これは、マズいと。
「産まれた娘は、黒髪黒眼なのだ。しかも『忍族』」
「そ、そうですか。そう言えば―」
『まだはっきりとは分からないのだがな。マコトと良く似た顔立ちをしている。マコトの血を濃く引いたのだろう』
話を変えさせて貰えない。
『オレはマコトの幼少の姿を知らない。実家に挨拶に行く時に写真でも見せて貰おうと思っていたのだが全力で止められたので未だに見れていない』
「はは……。でもマコトさんそっくりに育つとは限りませんよ?」
ドレッドは仕方無く話に乗るしか無かった。
『別に良い。人生は子の自由だ。オレから口出しする気はない。だが、マコトそっくりの子が育っていく。これが喜ばずに居られようか』
アルバは、子煩悩だ。昔の話ではあるが上の二人が産まれた時もこんな感じだった。
放任主義ではあるが落ちこぼれと呼ばれた上の男の子もずっと鍛え上げていたことからその愛情が窺える。
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