道化師の到着

4/32
前へ
/1704ページ
次へ
「話し合うって言ったってどれも一長一短だろ。平行線だと思うんだけど」 「ここで納得させんだよ」 ライは口を微笑みながら指差した。 「まずイリカ。タリアに攻め込むのはまだいい」 「何故ですか?戦力を分散させるのは愚策ですよ」 「分散した二つが一つの統率の取れた部隊ならな。この場合は違う」 「フリカもあくまで自分達が得をするからやってることだしね。こっちみたいに死ぬもの狂いにはなってくれないわ」 フリカ革命の時、命張った馬鹿もここに居るのだがそれは稀有なことだろう。 「敵もそれが分かっておる筈よ。それに、国境が近いということは『奴等』も居るということ」 マリアは、あえて伏せた。『異端』。レリオかテスター。この二人の内どちらかがタリアの近くに居る。 「確かに、まだ『そいつら』とはやりあいたくねぇな。いずれぶつかるにせよ、準備がまだ出来ていない」 レジスタンスもフリークマンファミリーも、まだ場慣れしていない。早期決戦は混乱する可能性がある。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46125人が本棚に入れています
本棚に追加