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「戦いやすい、とは何だ?」
「前回の挟撃が成功したのは相手の油断もあるが、こちらが地形を熟知して罠を張れたことが大きい。それを使えるのは利点だ」
ハルカやグレイは当然イセンでの防衛戦を何回も想定してきた。ライはそれを織り込んでいるのだろう。
「それにこの方針はあくまで『待ち』だ。相手が仕掛けてこなかったりしたらまた別の作戦を練り直せばいい」
「方針はそれで行きましょう。グレイ、次の敵の情報を」
ライの意見が通されハルカが話を次に進める。
「今のところ分かってるのが、次の相手がこの前戦った奴だってことぐらいだな。東に逃げていった軍が統率を取るみたいだ」
「ハニバル老将……かつて『将王』と呼ばれた名将ね」
「その名に偽り無し、と言ったところかや?先の戦場では異変を逸速く察知して撤退しよったし」
「戦場における勘もいい。オレが送った暗号で何か引っ掛かったんだろうな。はじめっから東にぃいい!!」
ハルカの拳が飛んできたのでライは慌てて回避。
「何すんだよ!」
「暗号で思い出したのよ」
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