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ハルカの目は凍てつくように冷たかった。
「待て、誤解がある」
「何よ、謝罪なら受け付けないわよ」
「いや、謝罪する気はない。事実だし」
パァンという景気の良い音。ハルカの拳をライが掌で受け止めている。
「落ち着け。オレは別に胸の大きさで女の良し悪しを見たりしねぇ」
「え?」
「え?」
「え?」
上から順にミナツ、グレイ、ライ。
「連れてくる奴全員胸が大きかったらそういうのが好きなんだと思ってた」
「だよな」
「その理論で行くとオレ、ロリコンになるからな」
「失礼です!」
「もしかしてわたしのこと言ってないよな、ライ?」
イリカとセリスが反応する。何だ、ここは。地雷原か。
「お前は他人に無いものを持っている。それは『異端』と同じで『優秀』っていうんだ」
「ライ……」
ハルカは少し落ち着きを取り戻しライの肩を掴む。
「でもそれって本人が気にしてることを言ってもいい理由じゃないわよね?」
「……おう」
「それにわたしは他人に無いものがあるんじゃなくてあるものが無いの。それは『優秀』じゃなくて『欠陥』っていうのよ」
「……なるほど!」
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