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「ここに居ったか」
マリアは屋根の上に逃げていたライに声をかけた。
「何でバレたんだ?」
「阿呆は高いところに昇ると決まっとる」
「そりゃどうも」
「阿呆と天才は紙一重とも言うがな」
近寄るマリア。そして虚空を見据える。
「そろそろ、出てきたらどうよ。ここならば目に付かん」
「……参ったな」
その言葉に反応し一人の中年男性が現れる。
「何だ、リューイっちゃん。居たのか?」
「何よ、ライ。知り合いか?」
「リューイチ・カヤマだ。『演出家』とも呼ばれる。ミナツとチフユの父親でもある」
「世間一般には『世界最悪の大犯罪者』とか『不敗伝説』とか呼ばれてる」
「ほぅ……?」
マリアが記憶を覗こうと掌を前に向ける。が、
「っ……!」
「そう急かさないでくれ。オレの記憶は安くない」
一瞬、マリアのみが意識を無くした。『悪夢』をかけようとしたら、跳ね返された。
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