道化師の到着

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* 「ここに居ったか」 マリアは屋根の上に逃げていたライに声をかけた。 「何でバレたんだ?」 「阿呆は高いところに昇ると決まっとる」 「そりゃどうも」 「阿呆と天才は紙一重とも言うがな」 近寄るマリア。そして虚空を見据える。 「そろそろ、出てきたらどうよ。ここならば目に付かん」 「……参ったな」 その言葉に反応し一人の中年男性が現れる。 「何だ、リューイっちゃん。居たのか?」 「何よ、ライ。知り合いか?」 「リューイチ・カヤマだ。『演出家』とも呼ばれる。ミナツとチフユの父親でもある」 「世間一般には『世界最悪の大犯罪者』とか『不敗伝説』とか呼ばれてる」 「ほぅ……?」 マリアが記憶を覗こうと掌を前に向ける。が、 「っ……!」 「そう急かさないでくれ。オレの記憶は安くない」 一瞬、マリアのみが意識を無くした。『悪夢』をかけようとしたら、跳ね返された。
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