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「……『鏡』か」
「流石だ。初見で看破されるとは思っていなかった」
「儂も似たような魔法を使えるのでな。尤も、ヌシ程精巧ではないが」
マリアは立ち上がりリューイチの目を見る。
「親子揃って、厄介な奴等よな」
「出会い頭に過去を暴こうとする傲慢な狐に言われるとはな」
「かっかっ。違いない」
笑いながらマリアは魔力を練り始める。リューイチは手を左右に振った。
「おいおい。オレは別にあんたと戦おうって訳じゃないぜ?いくらなんでも『覇剣』を使われたら『鏡』が割れる」
「『眼』も、持ち合わせておるか……ヌシは、どこまで知っておるのよ」
出そうとした魔法を見破られた為に、マリアは更に警戒する。
「あんたが思っているよりかは、ね。とりあえず矛を納めてくれ」
『魔鏡』の魔法が解かれ、一件隣の屋根の上に生身のリューイチが現れた。
風呂敷片手に堂々と立っている。その風呂敷をマリアに向かって投げ付けた。
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