道化師の到着

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イリカが視線をもう一人の金髪に向ける。 「良し。存分に励むが良い。因みに女装癖を咎める者は居らぬから安心せい」 「な、何故それを……!」 「良し。毎日風呂ぐらい入れ。儂は汚いのは嫌いじゃ」 「すみません!」 そこには秘密を暴露しながらチェックをするマリアの姿があった。 「どうします?」 「「嬢ちゃんでお願いします」」 キッチリ整列する男達。 「マリーも手伝ってんのか」 「あ、ライ兄さん」 ライは顔を出した。各場所のパイプ役ということでまめに動くことにしていた。 「うむ。昨日の内に顔合わせは済んだのでな。このような幼子に大事な役目を任せておくのもどうかと思うたのよ」 「……わたしはもう大人です」 少しイリカが拗ねている、が。 「そうやったな。すまんの。長いこと生きとるせいで正直境目が分からんのよ」 マリアは苦笑しながらイリカの頭を撫でる。 「うー!」 イリカは異議を唱えようとバタバタ手を振っているが不思議と振り払おうとはしていない。
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