道化師の到着

21/32
前へ
/1704ページ
次へ
「あんまりからかうなよ、マリー。家に帰った時機嫌が悪くなってめんどくさいんだ」 「そういうところが子供らしいと言うとるのよ」 そんなことを言われてはイリカは何も言えない。 「ライさん、この後久々に手合わせお願い出来ませんか?多少鈍ってるようで」 「断る。お前とやり合うのは疲れる。ナツと約束もあるしな。セリスにでも頼め」 ブラウゼルが見るからに肩を落とす。 「これだけ体格差があるとやりにくいんですが……」 「腹に一発貰ってみろ。二度とそんな口聞けなくなるぞ」 「ライ兄さんの顔が青く!」 「分かっておりながら食らうのだから、大した奴よ」 「おい」 話に置いていかれた人間が声をかける。 「お前は一体何様だ?嬢ちゃんと狐さんと仲が良いみたいだが」 「ファミリーの部下のブラウゼルさんもだし、『鉄槌童子』の名前まで出たぞ」 ざわざわと騒ぎ始める新参者。その内のイリカに死んでくださいと言われた男が聞く。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46125人が本棚に入れています
本棚に追加