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「わたしが示した道で、沢山の人が死ぬ。勿論無駄な犠牲じゃないとは分かってる。けど、それが正しいかって言われると、自信が無い」
「………………」
俯くハルカ。ライから返事が来ない。
「……………?」
いつまでたっても来ないのでハルカは顔を上げた。横を確認する。居ない。
「―ってことで頼むわ、チフユ」
「ん、分かった。よくわかんねぇけど」
いつの間にかチフユ達の群れに紛れ込んでいた。
「お兄ちゃん、遊ぼー」
「待てって。何するんだ?」
ベチャ!
「……………」
「やりぃ!」
屈むライの後頭部に泥団子が直撃していた。怖い笑顔を浮かべたライが無言で泥団子を作り始める。
「よくもやったな、ユーくんとやら!大人の力を嘗めるなよ!」
素早く何個も作るライ。
「大人げないぞー」
「やかましい!」
ライが立ち上がって振りかぶる。上半身を極限まで捻っていた。
「見よ!この考え抜かれた『竜巻投法』を!」
奇抜なフォームで投げられた泥団子はものの見事にすっぽ抜け―
「「「……あ」」」
ベチャ!
ハルカの顔面に直撃した。
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