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「またか……」
バドはドグとルゥに水筒を渡す。
「そこの川で汲んできた。ストックあるから遠慮なく飲め」
正直な話、綺麗な水ではないのだがドグとルゥは躊躇い無く飲む。
「………はぁ。『反抗右翼』だか『反抗左翼』だか知らねぇが厄介なことしてくれたぜ」
ドグが悪態をついた。ルゥは首を傾げる。
「どうしてだい?」
「戦場じゃオレ達は敵の当て馬だ。相手も躊躇しないし、逃げれば後ろから撃たれる。こんな命を捨てるようなことをどうして喜べる?」
その言葉にバドが鼻で笑う。
「こりゃ驚いた。まるで生きて帰りたいみたいな口振りだな」
「僕もバドと似た意見かな。生きて帰って死ぬまで肥溜めで暮らすよりは戦場で華々しく散った方がまだ人らしい」
「お前らに聞いたオレが馬鹿だったよ」
ドグは呆れ顔。バドとルゥはこんな状況でもヘラヘラ笑う。
「たっだいまー。およ?何か楽しそう」
「フゥ。何か収穫あったか?」
狭いテントに最後の一人のフゥが入ってきた。唯一の女性。
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