忍族の暗躍

7/21
前へ
/1704ページ
次へ
金を貰う為に自分の子供を売る。この国ではそういうことを平然と行う奴もいる。 「それで、お前はそれを言って何がしたい。生憎と、オレは慰めの言葉をかける気はないが」 「言ったよ。フェアじゃないから」 「じゃあ何でオレを詮索した?」 「別に?ただの好奇心だよ」 フゥは背中を向けて続ける。 「わたしは、特殊な環境だったからさ。他の人がどんな人生か知りたかっただけ」 「………そうか」 「ねぇ、バド。教えて。何で、戦争をやるのに貴族連中はあんなに呑気なんだろう?何で、集まった奴隷は怖いはずなのに逃げないんだろう?」 その問いに、バドは目を瞑って答えた。 「前者は簡単だ。貴族連中は戦争に参加したという実績が欲しいだけで、戦争に介入する気はない」 「死ぬ気がないってこと?」 「戦争を知らないってことだ。あいつらは『戦争』を『一方的に虐殺する』ってことだと思っている」 貴族とはいえ下級。貴族としての責任と誇りを忘れた愚者。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46124人が本棚に入れています
本棚に追加