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金を貰う為に自分の子供を売る。この国ではそういうことを平然と行う奴もいる。
「それで、お前はそれを言って何がしたい。生憎と、オレは慰めの言葉をかける気はないが」
「言ったよ。フェアじゃないから」
「じゃあ何でオレを詮索した?」
「別に?ただの好奇心だよ」
フゥは背中を向けて続ける。
「わたしは、特殊な環境だったからさ。他の人がどんな人生か知りたかっただけ」
「………そうか」
「ねぇ、バド。教えて。何で、戦争をやるのに貴族連中はあんなに呑気なんだろう?何で、集まった奴隷は怖いはずなのに逃げないんだろう?」
その問いに、バドは目を瞑って答えた。
「前者は簡単だ。貴族連中は戦争に参加したという実績が欲しいだけで、戦争に介入する気はない」
「死ぬ気がないってこと?」
「戦争を知らないってことだ。あいつらは『戦争』を『一方的に虐殺する』ってことだと思っている」
貴族とはいえ下級。貴族としての責任と誇りを忘れた愚者。
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