忍族の暗躍

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全員が頷いたことを確認して、ハニバルは続けた。 「作戦としては単純。『金色』を早々に処理し、後は物量で押し切る」 「言葉にするのは簡単だがなぁ……」 誰かが唸る。魔法使いの戦いは相性がある。『魔闘士』には遠距離戦を。『魔砲士』には接近戦を。これが定石。 しかし、戦争のような大規模戦闘になると陣地がはっきりとしてるだけ『魔砲士』への接近は困難を極める。 だからこそ、戦場において優れた魔砲士は重宝される。 「案ずるな。策は練ってある」 ハニバルは自軍の駒を取り出した。 「こちらは軍を二つに分ける。貴族様中心の軍と、儂ら中心の軍じゃ。大雑把に言うと儂らが囮となり『金色』を炙り出す」 「待った。炙り出すとはどういう意味だ?僕達にいらない危険は降りかからないだろうな?」 下級貴族が口を挟むがハニバルは慌てない。 「心配なさるな。敵さんには『前回』仕込みを済ませた故、ほぼ確実釣れましょうぞ」
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