忍族の暗躍

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漠然とした言い方に全員首を傾げる。 「具体的には何故、かは分からん。じゃが儂は何度かこの感覚を覚えた。そして、この予感が外れたことは今までに一度もないのじゃよ」 ふざけた話である。理屈じゃない。しかし、『将王』の異名を持つハニバルの予感である。無視は出来ない。 「……もしかして、『先見』の派生みたいなものかな」 「ファルコン、分かるのか?」 下級貴族が目敏くニーナの発言に反応する。 「武術の達人の中には相手の動きを読むんじゃなくて分かるって人がいます。経験、観察力、戦闘勘。それらを全て複合して『第六感』を生み出し頭じゃ何も考えていないのに未来が見える。そういう技術を、わたしたちは『先見』と呼ぶんです」 「つまり、ハニバル老将はその戦場版、と言いたいわけか?」 「はい」 勿論『先見』程正確に未来が見えるわけではないだろう。しかし、『最悪』を回避出来るのであればそれで十分なのだろう。
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