忍族の暗躍

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あと、とニーナは付け足す。 「多分、これが一番重要なんだけどその三人を率いてる男の子が居たよ。ライって言ってたけど」 「恐らくその『ライ』と言うのが『雷鳥一族』の頭目じゃな。特徴は?」 「ロッパの顔立ちだけど眼は黒かった。体格は小柄な方。何かヘラヘラしてて掴み所がない。フレンドリーに話せはしたけど」 「そういうタイプか……厄介なタイプじゃな」 ハニバルが少し唸る。 今回の戦争。長い準備期間があったことは分かっている。 つまり、出会った時ライは既にニーナを敵として認識していた筈。 その敵意を一切気取られることなく易々とニーナから逃れられている事実。ハニバルはライの人間性を推測出来ていた。 時には高圧的に、時には卑屈に、時には気高く、時には泥にまみれる。 それは決して王たる才能ではないが、否応なしに人を惹き付け先導していく。 そして、こういうタイプは得てして手が読めない。
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