忍族の暗躍

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「だからってお前が傷付く必要はない筈だ」 「オレは他の奴より頑丈みたいだからな。貧乏クジを引くのは、オレでいい」 「でも、そんなことしてたら身体が持たないよ?」 ルゥが怪我を心配そうに見る。 「それはそれでいい」 「何で?」 「貴族の玩具として過ごすクソッタレ人生に、『誰かを守った』っていう最期を飾れるならオレは喜んで死ぬぜ」 「バド……」 「心配すんな。お前らには迷惑かけねぇよ」 「…………嫌だよ」 ルゥは手を握りしめて呟いた。 「バドが、バドが死んじゃったら、」 「……………」 「誰が僕のフォローするのさ!?」 「お前想像以上に畜生だな!?」 思わずドグが口を挟んだ。微妙に涙目になっているあたり本気のような気がしてならない。 「そうだよ!君は迷惑かけてないつもりでも、自分勝手に動いたらそれだけ迷惑かけるんだよ!」 「すげぇ!あんなに堂々と自分を否定している!」 フゥが続くが全く心に響いてこない。
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