忍族の暗躍

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ドグは溜め息をついてバドと向き合う。 「バドお前は頼れる男だ。ここまで来た情もある。だから、早まった真似だけはするな」 「……それは、リーダーとしての言葉か?」 ドグは首を振る。 「違う。オレ個人の言葉だ」 「僕も!」 「じゃあわたしも!」 ルゥとフゥが乗っかったせいでドグの言葉が薄くなったがバドの口元が僅かに微笑んだ。 「努力出来る範囲で、誰かを守って、お前らと同じ場所でくたばるようにするよ」 「この人生に、色をつけるか」 「君たちと一緒なら、まだ悪くないね」 「わたしも大賛成ー!地獄でまた会おうぜ!」 「「地獄なのかよ」」 ドグとバドが同時に声を出し、また笑った。それは、小さな幸せだった。 後にその小さな幸せさえ砕くように、ある命令が下されることになることとは、誰にも予測が出来なかった。
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