誇れ、雷鳥

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* 偵察隊の報告を受け、予定通りロッパ王国軍がイセンに向かっていることが分かった。 決戦は恐らく三日後。イリカは地図を広げて考える。 戦力的にはほぼ互角。そして相手の指揮官は『将王』、ハニバル。 指揮官としての力量は間違いなくイリカを上回っている。 だが、こちらは防衛戦としての有利がある。それを言い訳には出来ない。 この戦い。勝利は絶対条件としてやってはならないことも多い。 例えば消耗戦。勝ったとしても戦力を多く削られることは後の敗北に繋がる。 また前衛のミナツとチフユ、後衛のマリア。大戦力であるこの二人を失えば士気に大きく関わる。 今回は奇策は通用しない。大まかな動きだけ決めてアドリブでどれだけ対応出来るかが勝負の分かれ目となる。 「また、考えておるか」 「トメさん……ノックを」 かっかっかっと笑いながらマリアはイリカの部屋に入ってきた。 「そう気負うでない。ライを見習え。緩くやれば良いものよ」 「ライ兄さんは何を?」 「屋根に登って昼寝してる」
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