誇れ、雷鳥

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ミナツとチフユが居ないことで前線への負担は大きくなるだろう。無論、その分死者も増える。 その犠牲を出してまでチフユがマリアを守る意味があるのかを問うているのだ。 それをイリカは肯定する。意味があると、最善だと断言する。 「今回は前線にブラウゼルさん、セリスさんが居ます。戦力としては充分でしょう。それに、相手は『将王』。当然ミナツさん対策をしている筈です」 そう毎度毎度同じ手が通用するとは思えない。大事なのは変化をつけること。 違う手を見せればそれだけ相手も対策しなければならないことが多くなり、結果薄くなる。 この戦いで全てを出しきってはいけない。見据えるのは最終的な勝利。 イリカはまだチフユがごねると思っていたが、 「そっか。分かった」 思いの外あっさりと納得した。 「いいんですか?」 「良いか悪いかって言われたら悪ぃよ。けどそれはオレの我儘だ。あんま我儘言うと、桃鬼にどやされるんでね」
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