誇れ、雷鳥

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「何で丁度いいんですか?」 本気で分からなかったのでイリカは聞き返した。 「え?だってお前、ライの妹だろ?」 「はい。義理ですが」 「ならオレとミナツはお前の義理の姉じゃん」 「……………え?」 「ん?義理の義理か?それても義理の義理の……」 頭を捻るチフユを他所にイリカの思考は論理的に動く。 義理の姉?チフユとミナツが?それはつまり― 「ミナツさんとライ兄さんって結婚してたんですか!?」 それしか考えられない。 「いや?まだしてねぇけど?」 チフユはあっさりと否定。イリカは安堵する。 「ジアの姫様とは結婚してるけど」 その安堵を頭の中の卓袱台ごとひっくり返された。 「え?ちょ、え?」 「そんなに驚くことか?オレは読まねぇけど新聞か何かに書いてあったんだろ?風の異端と異例の結婚がどうとか」 「しょ、正直名前貸してるだけかと」 動揺を隠しきれない。そう言えばライが帰ってきてから詳しい旅の話は聞いてなかった。
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